全額信託保全が義務付け
現在FX業者の信託保全は、法律で義務付けられています。従って信託保全を実施していない業者は法律違反ということになりますし、それができないFX業者は既に市場から撤退していると言っても過言ではありません。さらに内閣府令により全額信託保全が義務化され、顧客資産の保護がいっそう強化されました。
これによりFX業者の資金繰りは、銀行の信用保証と、自己資金でまかなわなければならず、それまでの顧客預かり資産を担保にするというやり方は通用しなくなりました。今のところ一部を除いて予想されたほどFX業者の撤退はありませんが、残ったFX業者も相当苦しいところもあるようです。
黒字倒産のリスク拡大
自己資金が少ない割に大きなリバレッジによって、動かす資金が大きいというのがFX取引です。わずかな市場の変動で、たちまち資金繰りが悪化するFX業者は少なくないようです。一瞬の資金繰り悪化で、黒字倒産という事態があり得る破綻予備軍が具体的にささやかれ始めています。
信託保全の義務化により、業績が堅調なFX業者が倒産する矛盾をはらみながら全額信託保全の義務化がスタートしたと言えます。従って、大きな資金が動きにくいリバレッジ規制もセットで考える必要があるということで、それが実施された結果、リバレッジ50倍以下のFX業者が主流になってきています。これは、顧客の損失軽減の側面とFX業者の資金繰りにも配慮した施策となっています。
顧客側にとってFX業者の倒産は、いまや預け資産の喪失には繋がらないため、どこのFX業者を使っても大丈夫ということになりますが、果たしてそうでしょうか。先程から出てくる全額信託保全で本当に全額顧客に戻ってくるのでしょうか。
ポジションの利益まで保証する仕組み
FX取引の性格上、ポジションを持った時には必ず利益または損失が発生します。長くポジションを持てばスワップ金利も発生します。特に大きな金額でポジションを持てばそれらも大きな金額になります。ポジションで得た利益は決済して始めて利益となるのですが、全額信託保全とはその実現していない見込み利益も含めて保全されるということです。
では確定していない利益はどのように保全されるのでしょうか。それは、FX業者が、信託銀行に報告することで、顧客の利益やスワップ金利の保全が実現されます。その金額を産出し報告するのが、社内で選任された管財人です。管財人は第3者の立場にたって正しく報告する義務を負います。
さらにその報告は日時か週時かで違いがあります。当然日時で報告する方がほぼリアルタイムなので、正確な情報に基づいた金額査定ができます。1週間のタイムラグは、FX業者に流用の裁量権を渡す事にもなりかねません。この点はFX業者によって対応が違いますので、日時で報告しているFX業者を選んだ方が良いということになります。